「洞窟」
この言葉の響きには、なんとも童心に戻らさせられる力を感じます。なんだか懐かしくワクワクする感じ。
小さい時には、自然の作り出す地形の窪みを秘密基地にしたものです。
実は山形県東置賜郡、高畠町竹森には国指定史跡の洞窟遺跡群があります。これらの中には日本に残る数少ない縄文草創期からのものも含まれるようです。
今回は、山形からはるか一万年前に想いを馳せます。
この指定遺跡に含まれる二つの洞窟の日向遺跡。一の沢遺跡。
こちらを紹介します。
洞窟探検です。
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洞窟付近の風景 |
一万年前、この周辺は定湿地帯となっていました。かつてから稲作の風景が行われていたこの場所では、
今より高い水位で水辺で広がっており、昔から存在したこの金色の風景の中に人々は船を浮かばせ、農作業が行われてきました。日常に人の手が加えられたこの場所は、実に綺麗な風景を作り出していたのであろうと想像します。
この山に囲まれた高畑の盆地は当時水辺であったため、山と盆地の境目より少し高い位置にできた洞窟に人は住んでいたようです。
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日向洞窟入り口 |
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入り口付近で矢尻などの遺物を拾った人がいるとか、、 |
春には日向洞窟の入り口に被さるようにして植生する枝垂れ桜が綺麗にピンク色になるようです。
一の沢洞窟までは、少々山の遊歩道を歩きます。
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横道に現れる池 木漏れ日がなんとも綺麗です |
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藻も山を流れる川の水が気持ちよさそう |
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ホオノキが優しく日差しを下まで落としてくれています。 |
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下の洞窟入り口 |
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上の洞窟入り口 |
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上の洞窟の中から |
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奥は思った以上に続いています |
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下の洞窟 |
一の沢洞窟の小高い洞窟の入り口からは、今ではほぼ、木々が生い茂った景色しか見えませんが、木々の隙間から僅かに盆地が覗けます。
ここで人が暮らしていたと言われていますが、もちろん人が暮らすシェルターとしての役割は現代よりも明らかに弱い事は明白です。
暮らしについても、獣や病原菌、食料や水の確保、寒さなどの気候など、より人が自然に近く、死に近い暮らしをしていたのだと思います。
そんなことを考えながら洞窟の入り口に立ち、外を眺めると、
きっと、同じように原始の人たちもここに立ち、外界を望み、日々を生きるために、外の世界の細やかな変化を感じ取ることで、自然の中で暮らせていたのだろうと想います。
ここの他にも火箱岩洞窟、神立洞窟など、幾つかの洞窟が高畑には点在してあります。
洞窟散策で心に童心を戻したり、人の暮らしの歴史を感じたりしてみるのもいいものですよ。
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日向洞窟
住所 〒992-0342 山形県東置賜郡高畠町竹森一の沢洞窟
住所 〒992-0302 山形県東置賜郡高畠町安久津
(文・写真=秋山新作)
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